『想像力豊かな少年のお話』②
僕は雨が嫌いです。まるで昨日まであんなに晴れやかな顔をしていたお空が泣いてるように見えるんだもの。
「どうして泣いているの?」
僕はお空に聞きました。お空は何も答えてくれません。ずっとずーっと涙を流しているばかり。
「話してくれなきゃ分からないよ。僕はお空さんに笑っていて欲しいだけなんだ。」
お空さんは僕の話を聞いてくれません。ただただ涙を流すばかり。だんだん僕も悲しくなってきました。
そんな時悲しげな顔の僕を見かけたお母さんが僕に言いました。
「お空はね、悲しくて泣いているんじゃないのよ。お母さんも、僕君も毎日お水を飲むでしょ?お空さんは私達にお水をあげるねって、こうして時々私達にお水をくれるのよ。」
僕は思いました。お空さんは僕やお母さんのことをいつだって見守ってくれてるんだなって。無口で、耳は良く無いのかもしれないけれど、それでもとっても優しくて、広く見守ってくれる目を持ってるんだなって。
少し経って雲の切れ間に光が差しました。まるで「目」を開いて空が目を覚ましたようでした。みるみるうちに黒い雲は消え去って、昨日と同じ晴れやかな空へと変わりました。先程まではどこかに隠れていた小鳥たちも光とともに歌い出したようです。
そう考えると、さっきの水はお空が寝てる時によだれでも垂らしたのかな。僕はお母さんに内緒で明日からはお水じゃなくてお茶を飲もうかなと思うのでした。
あとがき:一瞬間ぶりになってしまいました!(申し訳ないです。)少年のお話の2話を書かせていただきました。少年は小学校低学年をイメージして書いているのですが、素直だけど素直じゃない微妙なくらいを出すのが難しいと、個人的に感じています(笑)もう少し更新が早く出来るように頑張ります!それではまた別の文章で。