僕の心の言の葉。

短い自作小説、作文のブログです。多くの人に言葉が届いてくれたら嬉しいです。

『そうして新しい朝が来る』

 私達は将来に夢を見る。どんな人でも子供の頃に将来の夢について聞かれたものだろう。そのとき私達は何と答えていただろう。子供の頃は今よりも純粋だった。テレビに映るアスリートやヒーローを見て、同じようになりたいと思ったものだ。今の私達の中にあの頃と同じ夢を持ち続けている人は一体どの位いるのだろう。夢を諦めてしまった人もいるだろう。新しい夢に変わった人もいるだろう。それでも私達は人それぞれ、自分の将来に夢を見る。

 

 私達は夜にも夢を見る。そこで見る夢は決して現実ではない。その上、良い夢であるとも限らない。そしてその日に見た夢を思い出そうとしてもいつの間にか忘れてしまうことも多いものだ。夢の内容はもちろん人によって違う。登場人物も自分の意図したものではない。最近私は夢を見る回数が減った気がする。なぜなのだろう。

 

 夢を見なくなっていく。私の中から夢が消えていく。頭からも、心からも抜け落ちていくようだ。私は不安になってその夜に悪夢を見る。私が見たい夢はこれではないのに。

 

 私は現実を見る。今の私に何が出来るのか。今の私は何をしたいのか。そうして私は考える。もうただ夢を追い求めるだけではだめなのだと。オリンピックでは私達と同じくらいの年齢の選手が日本に夢を与えた。きっと私も夢を与える立場に回らなければならないのだろう。昔描いた夢の通りではないけれど。私は私なりに出来る事をしよう。多くの人に夢を与えることは出来ないかもしれないけれど。私は私を見てくれる誰かに夢を与えたい。きっとすぐ近くにそんな日が来ているのだろうと考えながら、私は今日も眠りにつくのだ。良い夢を見られることを信じて。

 

あとがき:私ごとですが、そろそろ将来についてちゃんと向き合わなければと思ったりしています。私はどんな人間になりたいのだろうと思った時にこの文を思いつきました。人それぞれに様々な夢があると思います。少しでも共感し、自分はどうかなと考えて頂けたら嬉しいです。それではまた別の文章で。