僕の心の言の葉。

短い自作小説、作文のブログです。多くの人に言葉が届いてくれたら嬉しいです。

『冬の怪物達よ』

 冬に現れるその怪物は人を誘い中に閉じ込めます。私達からやる気を奪い人を次々と駄目にしていくその怪物に、私も吸収されてしまいそうです。あぁ、もう駄目かもしれない。私がその怪物に取り込まれてしまうまでもう時間がありません。この文を読んだ人はどうかこの怪物に近寄らないで下さい。早く外に出て貴方が望む場所へ向かって下さい。私はもう肩まで侵食されてしまいました。さぁ早く!私のことなど気にしなくて良い!貴方は貴方の望むままに生きて下さい。私は駄目な人間になってしまうかもしれませんが、それでも私は幸せなのです。

 

 

 そうして私はコタツムリになりました。

 

 

 冬に現れる怪物は一体ではありません。むしろ先程の怪物よりたちが悪い。人を駄目にしていくのは勿論のこと、被害者数が先程の怪物より多いのです。人を虜にする能力を持ち、人から時間を奪っていく。気づいたら今日何も出来ないなんて人も現れる始末です。人は毎日全長2メートルにも満たない迷宮から抜け出すのに時間が掛かることを知りながら、1日の最後には必ずその迷宮の奥深くへと潜り込んで行きます。

 

 

 そうしてこの冬も毎朝数え切れない程のフトンカムリが見られるのです。

 

 私達の身近には数々の怪物が潜んでいるのです…。

 

 

あとがき:分かりやすくて、少し面白いなと思って欲しいところから出来た文章です。最後の終わりの通り、私達の身近にはまだまだ多くの怪物がいると思います。他にも様々な怪物の紹介が出来たらなと思います。それではまた別の文章で。